第(だい)16回(かい)シルバー川柳(せんりゅう)入選作品(にゅうせんさくひん)発表(はっぴょう)
夏の終わりの風物詩1)seasonal tradition、シルバー2)elderly people川柳※の入選作品3)winning worksが発表されました。
シルバー川柳とは、シルバー世代4)older generationの方々が日々の生活をテーマに作る川柳のことで、毎年この時期に入選作品が発表されます。
今年は全国から8876作品の応募5)entryがあったそうです。その中で入選作品に選ばれた、哀愁6)melancholy溢れる作品たちをご紹介します。
※川柳とは俳句と同じように5・7・5の音数で作られた詩7)poetryです。俳句よりもルールが緩いため、気楽に自由に作ることができます。
ポックリと
逝きたいくせに
医者通い
(男性/栃木県/68歳)
解説8)explanation:「ポックリと逝く」は、「入院9)hospitalizationや闘病10)fighting against diseaseをしないで死ぬ」「あっさり死ぬ」といった意味です。あっさり死にたいにもかかわらず、病院に通って長生きをしようとしている矛盾11)contradictionを表現しています。
「やめとくれ」
ただの寝坊12)oversleepingで
脈13)the pulseとられ
(男性/大阪府/49歳)
解説:寝坊をしたら、死んだと思われて脈をとられた(脈を確認された)ことを詠んでいます。
こんにちは
思い出せずに
さようなら
(女性/大阪府/73歳)
解説:知り合いに出会って「こんにちは」とあいさつしたが、名前が思い出せない。結局思い出せないまま、「さようなら」を言って別れたことを詠んでいます。
絵手紙で
いい味出してる
震える字
(女性/島根県/48歳)
解説:高齢14)elderlyの友人から届いた手紙の字が震えていて、そのことを「いい味である」と、楽しんでいます。
この歳で
止めてどうする
酒15)alcoholic drinkたばこ16)tobacco
(男性/岡山県/67歳)
解説:自分は高齢なので、この先長く生きることはない。酒やたばこを止める必要がないと詠んでいます。
見栄17)show offと欲18)greed
捨ててしまえば
生き仏
(男性/静岡県/91歳)
解説:「仏」は、「解脱19)Mokshaした人/人格者20)a person of integrity」という意味ですが、「死者21)dead people」の意味もあります。この川柳は「見栄と欲」を捨てれば「人格者」として生きていける、と解釈22)interpretできますが、「生き仏=死者のように生命力のない人」になる、と解釈することもできます。
希望23)hopeなし
目標24)goalなくて
自由あり
(女性/山形県/83歳)
解説:「自由」は「心のゆとり」なのか「空虚な25)empty時間」なのか、どちらの意味も読み取れます。
飼犬26)pet dogが
徘徊27)wander防止28)preventionに
付いて来る
(男性/東京都/63歳)
解説:ペットと飼い主の立場が逆転してしまったことを表現しています。
川柳や俳句は文字数が少なく、説明や感情の表現があまりありません。独特29)characteristicの言い回しも多いので、慣れていないと理解するのは難しいかもしれません。しかし通常の文章にはない独特の雰囲気があり、理解できると大変面白いものです。
ぜひ単語の意味などから想像力30)imaginationを働かせ、川柳の世界を楽しんでほしいと思います。
記事元:全国有料老人ホーム協会
http://www.yurokyo.or.jp/news/silversenryu/20160908_01.html
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